潟Aクアテックが開発した新硫化物法(NSプロセス)はガスセンサーがキーデバイスであり、液中反応の制御にこれを利用
することがキーテクノロジーでした。
新しい技術が採用されるまでには数年〜数十年
の日時がかかるのですが技術は日々
進歩するものであり、これからも
新しいデバイスに注目し
廃水処理・金属回収分野
への応用を考えて行き
たいと思います。
当社が過去に処理・分離・回収などに係わって、一定の知見のある元素を周期律に青色づけして示す。

最適金属イオン分離・固定化技術は何 ?
主な廃液・工程液中の金属イオン分離法を下表に示します
「どの方法が最適か」に関しては金属の種類、濃度、共存イオンの種類およびその濃度,目的
、
金属の価値、廃液・工程液の量、後工程をどうするか、などによって種々さまざまです。
また組み合わせ技術もあり、方法は多岐に亘っています。個々の方法を熟知し、その廃液・
工程液に合った方法を考え、ビーカースケール小規模実験で確認しながら最適な方法を確立し
ていくことが大事だと思われます。
廃液・工程液中の金属イオンの分離方法
処理方法 | 処理方法詳細 | 原理 |
1.凝集沈殿法 | @水酸化物法 A硫化物法 Bキレート液添加法 Cシュウ酸塩法 D炭酸塩法 E塩化物法 | 難溶解性塩生成 |
2.溶媒抽出 | 溶液溶媒抽出 | 混じり合わない2つの溶媒を用 いてそれぞれの溶解度の差を利 用して分離 |
3.イオン交換樹脂法 | 陽イオン交換樹脂塔 キレート樹脂塔 アシッドリターデーション | イオン交換現象 遊離酸と金属塩の分離 |
4.電解析出法 | 電解析出(電解槽pH調整) | 電解液中に陽極と陰極を配置し 電流を流して金属を陰極に析出 |
5.晶析法 | 昇温却設備、チラー 個液分離(遠心分離機など) | 温度による溶解度差を利用し 冷却し晶析させる。 |
6.膜分離法 | ROなど | ROなどで金属塩を濃縮 |
7.セメンテーション | 金属粒を添加。イオン化傾向の 差で目的金属を析出 |
ガスセンサー制御硫化物法は ?
重金属廃水処理法としては上表1.@の水酸化物法が世界中で100年以上に亘ってほぼ100%
この方法で処理しています。原理的にはAの硫化物法の方が金属除去・分離には優れていますが、
悪臭とコロイド化の2つの欠点のため湿式精錬などの一部で使われるだけで一般的には普及せず
見捨てられた存在でした。当社はこの悪臭を逆手にとり最近技術進歩が著しいガスセンサー技術
を用いて「悪臭のしない硫化物法」(NSプロセス)を開発しました。多くの研究者・技術者は硫
化物法の優れている点を知っていても「危険で臭い」ということで最初から検討対象からはずさ
れて来たのではないでしょうか。当社は将来NSプロセスを使うことにより硫化物法が金属イオン
の分離固定化技術の中心になり得ると考えています。硫化剤は石油精製の副産物として生成され
コストも安鋳物です。下表の色の塗られている元素は当社がNS法を行った元素です。オレンジ色
以外の薄い色の元素は必ずしも硫化物法が良いとはいえないと考えています。

NEDO 国家プロジェクト研究開発では
これまで硫化ニッケル汚泥は安定なものと考えられていましたが、最近当社が参加している
NEDO研究開発で硫化ニッケル汚泥がエネルギー消費が少ない空気・バイオ酸化により40日程
度ほどで90%以上が硫酸ニッケル汚泥に変化し水に溶解しニッケル含有率10%程度の電解液
となり, 電解析出法により純度98%以上の金属ニッケルを回収できる技術が開発されました。
(PCT特許出願済み)